「女性の健康総合センター」が設立されたのをご存じですか？
https://www.ncchd.go.jp/
女性の健康総合センター(Integrated Center for
Women's Health: ICWH)は、国立成育医療研究センターに「女性の健康」
に関するナショナルセンター機能を持たせ、女性の健康・疾患に特化した研究の推進や、女性の健康に関わる最新のエビデンス
の収集・情報提供を行うことを目的に2024年10月に設立されました。
上記サイトより、その取り組みを抜粋します
➀女性の健康に関するデータの構築
女性の健康に関するデータは散在し、利活用する研究者・企業が少ない現状があります。こういった課題を解決し、使いやすいデータとなるよう、データの収集や管理、解析などを行い、データ情報を整理して可視化することや、データクリーニング、統合IDの付与、データ提供窓口などの機能を一元的に担っていきます。
➁女性のライフコースを踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的推進
女性の健康課題は極めて多岐にわたるため、医学的な視点だけではなく社会学や経済学など多様なアプローチで研究を推進してきます。また、研究成果の社会実装化を推進するために、オープンイノベーションセンターを設立し、民間企業などとの協働も行っていきます。
➂情報収集・発信、人材育成、政策提言
情報収集・発信、政策提言では、女性の健康総合センターで創出されたエビデンスを広く発信していくだけでなく、そのエビデンスを生かして、標準化した教育プログラムや教育コンテンツの開発を行い人材育成にも力を入れていきます。
➃女性の体とこころのケア
妊娠の希望の有無に関わらず、将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うことで将来の自分の健康に繋げていく「プレコンセプションケア」について、全国に浸透させていくための取り組みや、相談・健診・カウンセリングなども行っていきます。
また、妊娠と薬情報センターでは、これまでに行ってきた相談業務の拡充、医療従事者への教育研修など、一般も含めた情報発信を行い、さらには製薬企業との共同研究も検討しています。
➄女性に特化した診療体制の拡充
女性に対して幅広い診療を提供する「女性総合診療センター」を成育医療研究センターの病院内に立ち上げます。女性内科、女性外科/婦人科、不妊診療科、女性精神科、女性歯科の5つの診療科で構成され、互いに連携し、女性に対して総合的な診療を提供します。
従来の医療は男性を基準に研究・治療が行われることが多かったため、女性特有の症状や薬の効果、副作用などが十分に考慮されていないことが問題視されてきました。
近年では、性差に基づいた医療の重要性が認識され、研究が進められています。
ようやくそのことが国の取り組みとして実現されたと感じています。
長く助産師として女性の健康に関わってきた人間として大変喜ばしいことです。
特に更年期の症状は多岐にわたり、更年期症状を抱えた女性は様々な診療科を受診します。
しかし、更年期に関する診療の情報は婦人科以外の診療科にはあまり広まっていないため「年だから」とか「がまんしなさい」で済まされることも多々ありドクターショッピングに陥ることもあります。
そのようなことからも女性総合診療センターのように性差を考慮した診療科、診療科同士の連携などが必要とされてきました。
ただサイトを見ていると医師が主に思えます。
更年期症状は、個人差が大きく更年期障害かどうかは「生活に支障をきたしているかどうか」の主観的なもので病気との境があいまいです。
治療の前に生活習慣を見直す、補完代替療法を取り入れるなどの方法をとることもできます。
また予防も可能だと思います。
治療以外の選択肢を提供できるよう、そのエビデンスやケアの方法の検証も必要で医師以外の職種ももっと参加できればと考えます。
でも、女性の健康総合センターが開設されたのは、大きな進歩です。
今後、女性の健康に特化した医療の充実により、より多くの女性が健康で長く生きられる社会が実現することが期待されます！
