身体の疲れは年齢と共に感じていた。
退職後不規則な生活を改め、規則的な生活を送る予定でいた。
手首の痛みや片手の指の圧痛があったが、あまり気にしないでいた。夏バテの影響か
胃の不調、眼瞼の腫脹等、ちょこちょことした不調が現れ内科や眼科を受診した。
その後、疲れているはずなのに寝つきが悪くなり、早朝に覚醒するようになる。
寝不足が続いているからと早めに布団に入っても眠れず、動悸も感じる。
新しい職場の事が全然頭に入らない。自分はこんなにも物覚えが悪くなったのかと少し焦るも、年だから仕方ないと思って過ごしていた。
3週間位経っても改善せず、周りの勧めもあり、ネットで睡眠外来を調べ早く受診できる所に受診した。若い女医さんが担当してくれた。
採血や睡眠状態を見る機械を借り、薬は出なかった。1週後再診し、採血結果でコルチゾール(ストレスホルモン)が治療の基準ということで、抗うつ剤が処方された。ちょっと抵抗感があったが、2週間で効果が出ると言われ、信じて飲んだ。
初診の時に、生活環境の変化や更年期がらみもあるか聞いたが、更年期の不眠にはホルモンは効果ないと言われた。
2週間毎日眠れるようになるのを信じて飲んだが、一向に改善されず早めに再診した。
抗うつ剤増量、睡眠薬も処方されたが改善されず体力がなくなっていくのが分かった。
どうしたんだろう、どうしたらよくなるんだろうと思いながら、段々動けなくなっていた。
家族に付き添ってもらい、3度目の受診。更に睡眠導入剤追加、診断はつけるとしたら睡眠障害と言われる。
見かねた親が、別の精神科の予約をしてきたのでいくしかなかった。
普段健康な私は、皆からうつ病と思われているのを感じていた。
受診結果は、うつ病という診断だった。自分は違うと思うと話したが聞き入れてもらえず悲しかった。
うつ病なら、内服すれば半年、何もしないで1年とラジオで聞いたことがあった。
睡眠外来で処方された薬はすべて中止、新しく処方された。先生は、改善しない不眠に何度も処方し直してくれたが、変わりなく1年以上過ぎた。
その間に発汗やむくみ、冷え、経験したことのない酷い肩こり、認知症みたいな感覚等色々な症状が現れた。
不調だけ次々変わる中、調子を見て自分で調べてみた。更年期障害の症状にぴったりだった。
婦人科検診の時期になっていたので受診し、今迄の経緯を話し使用できるならホルモン療法をしたいと話をした。先生は、2週間試しに使用してみましょうと言ってくれた。
この婦人科では、以前更年期が軽いのねと言われており問題なく過ごせたと思っていたが、ストレスからなったようだった。
使用して2日目には効果を感じた。以前の自分に近づきほっとした。
今迄も色々ストレスはあったと思うがホルモンの状態でこんなに違うことを実感した。
翌月精神科の先生に、更年期障害の診断を受けホルモン療法を始めて眠れる事から、全ての薬をやめたいと話した。先生は信用できない感だったが、自己責任ということで承諾してくれた。
禁断症状もなく2年過ぎて日常生活を送れている。
<佐藤から一言>
更年期症状には、不眠、気分の落ち込み、やる気が出ないなどうつ病と同じような症状がでることがあります。
しかし、せっかくご本人が、更年期障害かもしれないからとホルモン補充療法を希望していても「更年期の不眠にはホルモンは効果ない」と言われてしまったのは、驚きです。
家族にもわかってもらえなかったのも辛かったですね。家族も更年期に関する知識を持ち合わせていないのが現状でもあります。
まだまだ婦人科以外の先生には、更年期障害やホルモン補充療法のことが理解してもらえていないようですね。それでも婦人科を受診してくれてよかった・・。うつのお薬でよくならなかった睡眠障害が、ホルモン補充療法で2日で眠れるようになったのも驚きですが、私も治療をしてから3・4日でぐっすりと眠れました。その時の爽快感は今もわすれません。
精神的な症状が出ているときに精神科を受診するのも大事です。本当にうつの可能性もあるからです。でも他の更年期症状が出ているのであれば、皆様も婦人科をも受診してくださいね。